KOEOTO

【KOEOTO】本田保則
 

今回の【KOEOTO】は音響監督・本田保則さんの登場です。「マッハGoGoGo」「ハクション大魔王」から、今なお放送中の「ちびまる子ちゃん」など、数々のアニメーションの音響監督として活躍されています。また、これまで当連盟の理事を歴任され、2014年6月より名誉会員になられました。
音響監督になられたきっかけ、音響監督としての想い、そして連盟へのメッセージを伺いました。

❖音声連に加盟して30年

─音声連に加盟された当時のことをお聞かせください。

音声連への加盟は何年になっていますか? 1983年10月ですか。もう30年以上もたっていますね。お恥ずかしい次第です。
ザック・プロモーション(設立:1975年/音声連加盟:1978年3月)さんかオムニバスプロモーション(設立:1963年/音声連加盟:1978年3月)さんのお誘いがあって加盟させていただいたんだと思います。フリーの音響監督から、アニメーションに特化したような形の音響制作会社としてアーツ・プロを設立したのが、僕がちょうど30歳の時でした。会社設立が1974年の10月だったと記憶していますから、会社を起こしてから9年目だったんですね。アニメの音響制作だけという会社としては、古いほうかもしれませんね。オムニバスプロモーションさんは、外画の吹替えも制作されながらでしたから。
まだ僕が会社を起こす前でしたが、タバックさんが設立された時(1973年)には東映アニメーション(当時は東映動画)さんの仕事もずいぶん手伝わせていただきました。それ以後もアニメーションの制作本数は実に多かったですね。アニメブームみたいなものもありましたね。
オーディオ・プランニング・ユー(設立:1972年/音声連加盟:1983年10月)さんも同じくらいに加盟していると思うんですよ。後は音響映像システム(設立:1973年/音声連加盟:1983年10月)、今のサンオンキョーさんも同じ頃だと思います。


─1990年から理事や監事をほぼ毎年のように歴任されています。
 在職当時のことで印象に残っていることはありますか。

音声連は今は「一般社団法人」ですね。その前が「有限責任中間法人」でした。そこにいたるまでの期間、音声連が単なる業界の親睦団体ではなく、その上を目指そうとしても、まだまだ社会的な認知というのが無かった時代がありますよね。僕もまだちょっと若い頃でさほど知識もないのに、いずれは法人格の取得に向かっていかなきゃならないんじゃないかということで、いろいろな理事の方と毎回毎回、話し合いをしました。有限責任中間法人になるまで何年もかかってるんですよね。
当時、理事長だった塚田さんが法人格取得のためにたいへん苦労をされていました。僕も理事に名を連ねていましたので、法人化に向けては是非とも一歩踏み出さなきゃいけないと思っていました。
あの時ちょうど日俳連(協同組合日本俳優連合)さんとの間の協定の見直しという、もうひとつの課題が重なっていたんですね。先方は協同組合の形ですよね。しかし僕ら(音声連)は任意団体ということで交渉の当事者としての権限が無いわけですよ。団体としての交渉は難しい。各社一番苦しんだのはそこじゃないですかね。音声連という連盟に加盟していても、仕事を依頼され受けるということに関しては「各社対応」になるわけですよね。そうすると足並みが揃わないということよりも、各社それぞれが悩みを持ったり、どこかで壁にぶつかるわけです。特に権利処理の問題に関しては、日俳連さんは法人として権限を持ってらっしゃいますから完全に当事者なんですね。でも我々は当事者に成り得ないということで、「音声連は日俳連の擁護団体じゃないか」という意見すらあった時代でした。
理事会でもかなり辛辣な意見が飛び出していました。法人格を得るために、音声連の内でも外でも走り回っていたあの頃が、それまでの音声連から脱皮できた時代だなと思います。

法人格を得たことで様々な事の交渉においても、音声連に加盟しているということをメリットとして交渉を進めることができるようになりましたよね。加盟各社もそれぞれの対応の経緯と結果を、音声連の事務局に問い合わせたり、報告したりすることが増えてきていたと思います。 本田保則さん 「うちではこんな処理をしました」という形で、音声連にたくさんの事例が集まってきました。TV以外にもビデオ、DVD、ゲーム、Webなど対応すべきものが増えてきましたけれど、音声連側にあらかじめその状況にうまく対応するための準備ができるようになりましたね。実際に各社がいろいろなクライアントさんと折衝するにあたっては、なかなか聞いていただけないこともありましたけどね。

 
PROFILE
本田保則 本田保則
(ほんだ やすのり)

1943年 富山県生まれ。 音響監督。 当連盟名誉会員。 富山大学(経済学部)卒業後、演出家を志して上京。 「劇団造形」に入団。 1966年 株式会社竜の子プロダクション入社。アニメーションの音響制作に従事する。フリーランスを経て1974年 株式会社アーツ・プロを設立。 以後、音響監督として数多くのアニメーションを手掛ける。2014年株式会社アーツ・プロをご自身の判断で解散。フリーランスとして音響監督を継続。

○主な作品○
【アニメーション】
『金田一少年の事件簿R』『テレビまんが 昭和物語』『蒼天航路』『遙かなる時空の中で』『MONSTER』 『花田少年史』『MASTERキートン』『天地無用!』『ちびまる子ちゃん』『超時空要塞マクロス』『宇宙の騎士テッカマン』『破裏拳ポリマー』
○執筆○
『声優の教科書―基礎編からプロでも役立つ実践編まで』(ソニーマガジンズ2000年)

【KOEOTO】バックナンバー

Vol.04_田中英行
Vol.03_本田保典
Vol.02_戸田奈津子
Vol.01_山寺宏一

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